土地や空き家を相続放棄する方法や注意点をわかりやすく解説

八木貴弘司法書士事務所(神奈川県相模原市/緑区)|土地や空き家を相続放棄する方法や注意点をわかりやすく解説

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土地や空き家を相続放棄する方法や注意点をわかりやすく解説

▼ 相続放棄とは
「相続放棄」とは、亡くなった故人の遺した財産を法定相続人が一切承継しない場合に行う意思表示のことをいいます。
親が亡くなったなどを理由として、自身が相続人であると知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄をする旨を申し出ることで行います。

▼ 相続放棄に伴う手続き
①まず最初に行うべきことは、手続のために必要となる費用を用意することです。
収入印紙代として800円、裁判所ごとに代金が異なる郵便切手代が必要です。

②次に、手続の際に必要な書類を収集します。
必要な書類としては、相続放棄申述書、被相続人の住民票除票及び戸籍附票、申し立てる者の戸籍謄本です。

③必要な費用や必要書類を集めたら、家庭裁判所に必要書類を提出します。

▼ 土地や建物などの不動産の処理
では、故人が土地や建物を所有している場合に、相続人ら全員が相続放棄をした場合、どのようになるのでしょうか。

相続人ら全員が相続放棄をした場合、故人が所有していた土地や建物は、国庫に帰属することになります。
これは、民法239条2項が、「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」と規定しているからです。
もっとも、不動産が国庫に帰属するためには、司法書士や弁護士などの専門家を「相続財産管理人」として申請し、他に相続人がいないことを確定させることが必要です。

▼ 土地や建物を相続放棄する際の注意点
もっとも注意が必要であるのは、相続放棄によって空き家となった建物や土地の管理義務を一切負わなくなるというわけではない点です。

民法940条は、「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」と定めています。
すなわち、相続人が相続放棄を行うことで、故人が所有していた不動産についての固定資産税の支払いなどを支払う義務を免れるとしても、前記の相続財産管理人が実際に相続不動産を管理し始めるまでは、かかる土地や空き家についての管理義務は残存する可能性が高いです。

具体的には、相続財産管理人が管理を開始するまでの期間に、周辺住民とのトラブルが生じた場合には、その責任を負わなければならない可能性があります。
したがって、相続放棄の手続を行ったとしても、土地や空き家の管理義務を負い続けるため、全く無関心に放置し続けることは得策ではありません。

八木貴弘司法書士事務所は、相続や遺言、成年後見、財産管理をはじめ、さまざまなジャンルにおいて、町田、相模原、八王子を中心に関東地方の皆様のお悩みを解決しております。どんな些細な内容でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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