▼保佐人とは?権限や必要となるケースなど
被保佐人とは家庭裁判所の審判により、一定の法律行為をするに当たって保佐人の関与を受ける必要があるとされた者をいいます。
保佐が開始されるのは、本人やその家族などから申立てを受けた家庭裁判所の判断により、本人が「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分」の状態にあると認められた場合です。
(1)被保佐人の法律行為の範囲
被保佐人は、判断能力が低下した状態で契約などを行った結果、大きな損失を被ってしまうことを防止する観点から一人でできる法律行為の範囲が制限されています。
被保佐人が一人で行うことができないのは、「保佐人の同意権・取消権の対象になっている法律行為」です。
(2)保佐人の法律行為
保佐人には、被保佐人が行う以下のような法律行為について、同意権および取消権が認められています(民法13条1項、4項)。
①預貯金の払い戻し、貸付け、貸金の返済の受領など
②借り入れ、他人の債務の保証など
③不動産の売買・賃貸借の解除・抵当権の設定、株式の購入・売却など
④訴訟行為
⑤贈与、和解、仲裁合意
⑥相続の承認、相続放棄、遺産分割
⑦贈与の申込みの拒絶、遺贈の放棄、負担付贈与の申込みの承諾、負担付遺贈の承認
⑧不動産の新築、改築、増築、大修繕
⑨一定期間以上の賃貸借
⑩①から⑨の各行為を、制限行為能力者(未成年者など)の法定代理人として行うこと
家庭裁判所の審判により上記以外の法律行為についても保佐人に対して同意権・取消権が付与される場合があります(民法13条2項)。
保佐人の同意権・取消権の対象行為を、被保佐人が単独で行った場合、被保佐人または保佐人は、当該行為を取り消すことができます(同条4項)。
保佐人の同意権・取消権の対象ではない法律行為については被保佐人が単独で行うことができます。
例えば、遺言書の作成や結婚などは、被保佐人の単独の意思により行うことが可能です。
また、保佐人の同意権・取消権の対象とされている類型の法律行為でも、日常生活に関する法律行為については、被保佐人が単独で行うことが認められています(民法13条1項但し書き、2項但し書き、9条但し書き)。
(3)保佐人が必要となるケース
保佐人が必要となるケースは、主に以下のような場合です。
①不動産の管理・運用・処分が難しい場合
本人が不動産を所有しており、日常生活は送ることはできているものの認知症などによって不動産の管理・運用・処分が難しい場合などです。具体的には不動産を自分の判断で「賃貸するなど活用できない」「売った方がよくても売れない」「修繕が必要なのに業者との打ち合わせなどができない」などのような場合です。
②お金の管理が困難な場合
認知症によって過剰な買い物や通信販売などでお金を過剰に使ってしまう、ギャンブルに過剰につぎ込み借金をしてしまうなど金銭管理が難しいような場合です。
③本人の他の者に使い込まれている場合
本人が認知症であることをいいことに、子どもや配偶者が年金や財産などを使い込んでいるケースです。
④不当な契約や売買をするおそれがある場合
認知症により判断能力が低下した人のもとに、不動産会社やリフォーム会社と名乗る人が度々訪れては家の設備の新調やリフォームをすすめてくるようなケースです。このまま続けばいつか誤って不当な契約をしてしまわないか不安な場合と言えます。
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保佐人とは?権限や必要となるケースなど
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