登記にかかる税金はいくら? ~新築戸建・マンション、中古戸建の違い~/八木貴弘司法書士事務所(神奈川県相模原市/緑区)

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登記にかかる税金はいくら? ~新築戸建・マンション、中古戸建の違い~
2018/11/13

こんにちは。司法書士の八木貴弘です。

 

 

登記申請をする際には「登録免許税」という国税を納付する必要があります。

 

売買・贈与・財産分与等の所有権移転・保存登記申請にあたっては、不動産の固定資産税評価額をもとに登録免許税を算出することになります。そのため、登記をすることで支払う税金がいくらになるのか?を考えるうえで、対象の不動産の固定資産税評価額はいくらなのか?を確認・計算することが重要になってきます。

 

 

☆ 固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)とは、固定資産税を賦課するための基準となる評価額である。 固定資産税は、市町村が毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋等(固定資産)の所有者に対し、その固定資産税評価額をもとに課税する税金である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

土地と家屋に対する固定資産税の基本となる評価額は、固定資産の持つ適正な時価を求めるため、3年毎に評価額を見直す制度(評価替え)となっています。(原則として3年間は据え置くこととなっています)。平成30年度はこの評価替えがおこなわれた年度でもありました。

 

毎年1月1日現在の土地・家屋の状態を見て市町村が次年度の評価額を決めています。次年度の評価額が記載された評価証明書はその年の4月1日以降に発行されることになります。

 

 

☆ 固定資産税評価額がない家屋?

既に建っている家屋については、市町村にて発行される最新年度の評価証明書を基に登録免許税を計算すれば良いのですが、例えば、年の途中で新築した家屋のように1月1日時点ではまだ家屋がない(あるいは、家屋は前からあるのに評価額が付されていない)場合には市町村にいくら言っても評価証明書を発行してもらうことはできません。

 

この場合には、各地の法務局において定める、認定基準表・経年減価補正率表をもとに家屋の価額を決めていきます。参考までに横浜地方法務局・東京法務局管内の認定基準表・経年減価補正率表を添付します。

横浜地方法務局管内 認定基準表

横浜地方法務局管内 経年減価補正率表

東京法務局管内 認定基準表

東京法務局管内 経年減価補正率表

 

例えば、

横浜地方法務局管内でH30.11.1に新築された家屋(居宅 木造スレート葺2階建て 延べ床100.00㎡)の価額は、

@93,000 × 100.00㎡ = 9,300,000円

 

となり、この価額に税率(1・5/1000、4/1000など)をかけて登録免許税を出していきます。

 

 

☆ 新築マンション(区分建物)の価額はどうするのか?

いまだ固定資産税評価額のない新築マンション(区分建物)についても上記表の㎡単価を使用して計算すればいいのではないか?と思われるかもしれませんが、それは違います。区分建物には各部屋(専有部分といいます)のほかに、エントランス・エレベーター・階段・廊下などの区分建物所有者がみんなで使用する共用部分があり、区分建物の価額を算出するにあたっては専有部分の価額に加えて共用部分の価額も上乗せしていかなければなりません。

 

区分建物の価額を算出する計算式は以下のとおりになります。

 

(1)各専有部分の構造、種類が同じである建物の場合

{A+(B-AΣ)×A÷AΣ}×N

 

(2)各専有部分の構造、種類が異なる建物の場合

(A×N)+{(B-AΣ)×A÷AΣ×N}

 

A:専有部分の床面積、AΣ:専有部分の床面積の合計(規約共用部分は含まれません)、B:1棟の建物の床面積、N:認定基準単価

 

例えば、

横浜地方法務局管内でH30.11.1に新築された区分建物(各専有部分の構造、種類が同じ 居宅 鉄筋コンクリート造 1階部分100.00㎡)について、専有部分の床面積の合計3000㎡、1棟の建物の床面積の合計3500㎡の場合、

 

共用部分の床面積は、3500-3000=500㎡

専有部分の1㎡あたりの共用部分の上乗せ率は、500㎡÷3000㎡=0.16666

専有部分の㎡単価は、@139,000(上記の認定基準表より)

共用部分の上乗せ後の㎡単価は、@139,000×(1+0.16666)=@162,165

この区分建物の価額は、@162,165×100.00㎡=16,216,500円

 

となり、この価額に税率(1・5/1000、4/1000など)をかけて登録免許税を出していきます。

 

 

この計算にあたっては、法務局によって多少解釈が異なる場合がありますので、管轄の支局・出張所への事前確認が必要です。

 

 

登録免許税の算出にあたりましてご不明な点がありましたら、当事務所までお問い合わせください。

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