▼成年後見人になれる人・なれない人
成年後見制度は、判断能力が不十分な方々の不動産の管理や、預貯金の管理などの財産管理と施設への入所に関する契約や、遺産分割などの契約行為を支援する制度です。
(1)成年後見人の役割
認知症高齢者や知的障害者、精神障害者などの判断能力の不十分な者を対象として、本人や4親等内の親族などによる家庭裁判所への申立を経て選任された成年後見人が、本人の財産管理と生活に関わる契約行為を行います。
(2)成年後見人の選任について
成年後見人は法律上5つの欠格事由が定められています。
成年後見人は被後見人に代わって財産を管理し、また監護を行うことによって被後見人を保護しなければなりません。
そのため、このような後見事務を適切に行うことができる適格を有する人を成年後見人として選任する必要があります。
民法847条各号では以下のような欠格事由が定められています。
①未成年者
②後見人など解任されたことがある者
③破産者
④被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
⑤行方の知れない者
もっとも、欠格事由がなかったとしても必ず後見人になれるというものでもありません。
成年後見を開始するためには、後見開始申立てを本人の住所地の家庭裁判所にしなければなりませんが、その申立書には申立人が推薦する後見人候補者の記入欄があり、家庭裁判所ではそこに記載されたものに適格があるかを審査し、その結果、候補者が選任されない場合があります。
次のいずれかに該当するような場合には、候補者以外の者を後見人に選任又は監督人を選任する可能性があります。
・親族間に意見の対立がある場合
・流動資産の額や種類が多い場合
・不動産の売買が予定されているなど、申立ての動機となった課題が重要な法律行為を含んでいる場合
・遺産分割協議など後見人等と本人との間で利益相反する行為について、監督人に本人の代理をしてもらう必要がある場合
・後見人等候補者と本人との間に高額な貸借や立替金があり、その清算の可否等について第三者による調査、確認を要すると判断された場合
・従前、後見人等候補者と本人との関係が疎遠であった場合
・年間の収入額及び支出額が過大であったり、年によって収支に大きな変動が見込まれたりなど、第三者による収支の管理を要すると判断された場合
・後見人等候補者と本人との生活費等が十分に分離されていない場合
・申立時に提出された財産目録や収支状況報告書の記載が十分でないなどから、後見人等としての適格性を見極める必要があると判断された場合
・後見人等候補者が後見事務に自信がなかったり、相談できる者を希望したりした場合
・後見人等候補者が自己もしくは自己の親族のために本人の財産を利用(担保提供を含む。)し、または利用する予定がある場合
・後見人等候補者が、本人の財産の運用(投資等)を目的として申し立てている場合
・後見人等候補者が健康上の問題や多忙などで適正な後見等の事務を行えない、または行うことが難しいと判断された場合
・本人について、訴訟・調停・債務整理等の法的手続を予定している場合
・本人の財産状況が不明確であり、専門職による調査を要すると判断された場合
八木貴弘司法書士事務所では、相模原・町田・八王子を中心として関東全域で成年後見制度に関するご相談を承っております。任意後見制度や法定後見制度など後見制度に関してお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
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